帯状疱疹

身体のどこか一ヶ所，虫に刺されたようなチクチクした痛みから始まり，赤色～茶色の斑点と小さな水疱（すいほう，みずぶくれ）がブツブツと帯状（おびじょう）にあらわれます．

帯状疱疹（たいじょうほうしん）は時間とともに，ピリピリ，ヒリヒリする痛みや，わしづかみにされるような激痛，皮ふがえぐれたような不快感など，多彩な神経痛を呈します．痛い場所に触った感じや冷たさが鈍くなる知覚鈍麻，触っただけで痛むアロディニア（異痛症）を伴うのも特徴です．

皮膚の症状が出る前に，カゼをひいたような倦怠感（けんたいかん，だるさ）を感じることがあります．また，腰に出ると「いつもの腰痛かな？」と様子をみてしまい，後手に回ることも．

胸に出れば「心筋梗塞？」と不安になり，おなかに出れば便秘，耳にでれば顔面神経麻痺，ひたい～目に出れば失明の危険など，合併症も様々です．

治療が遅れると痛みがこじれ，帯状疱疹後神経痛になることもあります．そうなると慢性痛で生活もままならなぬかります．

外来で皮膚の症状を観察し，経過とあわせて容易に診断できます．

自宅療養

触らない・痛むことはしない・刺激をあたえないことが重要です．虫刺され用のかゆみ止めは厳禁です．水疱が破れ，かさぶたになったら手ではがさず自然に落ちるまで待ちます．

仕事や家事，勉強や趣味など，帯状疱疹が痛んだらすべてご法度です．

体の疲れや精神的ストレスは大敵です．まずはゆっくり休みましょう．

お薬

なるべく早く抗ウイルス薬（ファムシクロビル錠）をしっかり使います．

念のため，一般的な痛み止め（NSAIDs：非ステロイド性抗炎症薬）の内服と坐薬．

水疱からの水や，かゆみにはのNSAIDsクリーム（ベシカム）

注射

痛みが強い時，痛み止めやビタミンの点滴，時に神経ブロック注射を考慮します．注射は即座に痛みをとるわけではなく，痛みが止まりやすい状態をつくる治療法です．

鎮痛処置

マイクロ波による温熱療法，レーザー治療器による鎮痛が安全性が高く即効性があります．一日一回数分を可能な限り連日行うことで，治癒がうながされます．

外来での皮膚消毒・経過観察

ご自宅で消毒することは難しいので，経過観察を含め外来で処置することをお勧めします．

３～４週間前に冠婚葬祭など，何かありませんでしたか？体の疲れや精神的ストレス，他の病気などが帯状疱疹の引き金になります．なので

まず，ゆっくり休みましょう

何気ないストレスでも悪化しますので，日頃から心身の疲れがたまらないよう，中庸で健康的な生活リズムを続けることが帯状疱疹の治療と予防には大切です． 

生活習慣を，お一人で整えるのは大変です．ご不明な点など，お気軽にご相談ください．

帯状疱疹は，何回でもかかる病気です．確かに一度かかれば免疫は尽くものの，時間が経てば落ちてきます．そこに疲れが加わると，いとも簡単に再発します．

再発リスクを抑え，たとえ再発しても症状をやわらげてくれるのが，帯状疱疹成分ワクチン（シングリックス筋注）です．

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2回の筋肉注射が必要です（2ヶ月あける）

【一般】22.000円
※2ヶ月あけて2回接種します

【定期接種】
壬生町在中で緑色のハガキが届いた方 7.700円×2回
【任意接種】
50歳以上 11.000円×2回

※令和七年度