尾骨痛

a.病態と神経ブロックの適応

多くは中・高年の女性で,排便時,歩行時や椅子に座るなどの際に尾骨部に焼けるような疼痛を訴えるが,圧痛以外には他覚的所見に乏しい.原因不明のことが多いが,尾骨部への外傷や女性では分娩などに起因することもあり,また腫瘍の場合もあるので画像診断による除外診断が必要である.

治療は神経ブロックと抗うつ薬や抗不安薬を併用する.

b.神経ブロック治療指針

①仙骨硬膜外ブロック:急性期(1~2ヵ月間)は3~4回/週の頻度で行ない,その後は1~2回/週とする.14日に1回程度,局麻薬にステロイドを添加すると鎮痛効果が良好となる.疼痛が強い場合は入院が望ましく,持続注入法を1~2ヵ月間の目安で行なう.

②尾骨神経ブロック:透視下に,仙尾関節または第1,2尾椎関節部へ局麻薬にステロイドを添加して注入する.1~2回行なう.

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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋