頸肩腕症候群

a.病態と神経ブロックの適応

頸・肩・上肢の,他覚的所見に乏しい疼痛,しびれ,こり感,倦怠感,異常感覚など多彩な症状の訴えに対する総称として用いられる.頸部,肩部の構築的な弱点を基盤として発症し,時間経過とともに頸椎症,頸椎症性神経根症,頸椎症性脊髄症などの病態が明らかになることもある.

治療は非ステロイド性抗炎症薬,中枢性筋弛緩薬,抗不安薬,抗うつ薬などを適宜使用し,温熱療法,低周波療法,頸椎の間欠牽引,マッサージ,頸部,肩甲,上肢帯の筋力強化やストレッチングなどの理学・運動療法を併用する.神経ブロックはこれらの理学・運動療法に併用して行なう.

b.神経ブロック治療指針

①星状神経節ブロック:急性期(1~2ヵ月間)は3~4回/週の頻度で行ない,その後は1~2回/週程度とする.

②頸部・上胸部硬膜外ブロック:重症の場合は2~3回/週の頻度で行ない,症状改善が得られれば,星状神経節ブロックに変更する.

③トリガーポイント注射:3~4回/週の頻度で行なう.星状神経節ブロックと併用する.

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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋