X線透視下神経ブロックについて

次の神経,神経節,神経叢などのブロックは,安全性・確実性に優れるⅩ線透視下で行うことが望ましい.また,一般的にⅩ線透視下で行わない神経ブロックでも,症例によって正確に安全に施行する必要性のある場合はこれを行う.神経破壊を行う場合には,ブロック針の先端位置を誘導し,造影剤注入による薬液の拡がり,局麻薬注入による効果,さらに合併症がないことを十分に確認後,神経破壊薬を注入する.また神経破壊薬の代わりに高周波熱凝固法で行う場合もある.

三叉神経節,上顎神経,下顎神経,耳介側頭神経,胸部交感神経節,腰部交感神経節,腹腰神経叢,下腸間膜動脈神経叢,上下腹神経叢.不対神経節,腕神経叢,肋間神経,神経根(頚椎,胸椎,腰椎,仙骨),大腰筋筋溝,椎間関節,後枝内側枝,椎間板内注入,疼痛除去用脊髄刺激装置植込術*,経皮的髄核摘出術,エピドラスコピー,経皮的椎体形成術など.

*疼痛除去用脊髄刺激装置植込術

Ⅹ線透視下に脊髄硬膜外腔内に電極を挿入し,疼痛部位に電気刺激が重なるような位置に留置する.

5日~1週間前後のテスト期間において電気刺激による鎮痛効果を調査して電極を一旦抜去する。鎮痛効果が良好であれば,日を変えて同部位に電極を挿入して,ジェネレーターをその電極と接続して,胸部または腹部の皮下脂肪層内に植え込む.

以上の治療や手技に関しては,専門医の資格を持った指導者の下で,ある一定期間の研修をしたものが行うことが望ましい.

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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋