中枢痛

脳血管障害,脳腫瘍,多発性硬化症,脊髄損傷など中枢神経系の損傷や機能障害によって,障害直後または数週間を経てから発症する痛みで,温度や侵害刺激に対する感受性異常を伴うことが多い.

一般に麻薬性鎮痛薬は無効で,抗てんかん薬(カルバマゼピンなど),抗うつ薬,抗不整脈薬やNMDA受容体括抗薬(ケタミン:静脈麻酔薬であるがNMDA受容体括抗作用をもつ)を用いるが,決定的なものはない.神経ブロックの効果は一定でなく,試験的なブロックによって何らかの効果がみられるようであれば繰り返す.他に大脳皮質,脳深部や脊髄での刺激装置植込術,電気けいれん療法,大槽内ステロイド注入などの治療を考慮する.

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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋