群発頭痛
a.病態と神経ブロックの適応
頭痛発作が群発する期間(数週間から数ヵ月間)とまったく無症状の完全寛解期間(数年間)とが繰り返してみられる原因不明の疾患で,30歳代の男性に多い.群発期間にはほぼ連日のように,1~数時間持続する頭痛発作が起こり,飲酒後や深夜の睡眠中,朝方などの決まった時間帯に,前兆なしに,いきなり転げ回るような激痛が片側性の眼寓奥周囲部を中心に起こる.疼痛側の縮瞳,眼瞼下垂結膜充血,流涙,鼻汁,鼻閉.顔面の発汗などの自律神経症状を随伴することが多い.
発作時には,エルゴタミン製剤やトリプタン製剤を主とする薬物療法で対処するが,酸素吸入によって軽快する場合もある.群発期間中の発作間欠時にはカルシウム括抗薬(塩酸ロメリジンなど)が有効である.星状神経節ブロックは,片頭痛と同様の目的で行なう.
b.神経ブロック治療指針
①星状神経節ブロック:1回/日の頻度で,群発期間が終了するまで行なう.
②三叉神経第1校ブロック,後頭神経ブロック,耳介側頭神経ブロック,第2頸神経脊髄神経節ブロック:痛みの部位と強さに応じて併用する.
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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋