アレルギ-性鼻炎(花粉症)

a.病態と神経ブロックの適応

I型アレルギーに属し,鼻粘膜局所での抗原抗体反応の結果 産生された化学物質(ヒスタミンなど)によって,くしゃみ,水性鼻汁,鼻閉,さらに目の痒み,流涙や結膜充血などの眼症状を惹起する疾患である.抗原の種類により通年性と季節性(花粉症)に大別され,症状の程度は抗原量と個人の免疫能に関与している.

根治療法としての特異的減感作療法は,2年以上の定期的注射が必要である.対症療法としては,化学伝達物質受容体括抗薬,化学伝達物質遊離抑制薬,ステロイド,自律神経作用薬などを重症度に応じて単独もしくは併用する.

星状神経節ブロックは,他疾患の治療目的で行なわれた際にアレルギー性鼻炎の症状が改善した症例の経験に基づいている.星状神経節ブロックの有効機序としては,交感神経過緊張の績和や局所血流増加作用によって,鼻粘膜の浮腫軽減・修復,鼻粘膜感覚神経の被刺激性の軽減などが考えられている.

b.神経ブロック治療指針

①星状神経節ブロック:花粉症の急性期には連日,左右交互に片側10回ずつ行なう.通年性の鼻炎に対しては,耳鼻科治療で効果が得られない場合に試みる.

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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋