緊張型頭痛

a.病態と神経ブロックの適応

ストレス,不自然な姿勢などによって起こる頭頸部筋肉群の持続的な収縮が原因となり,圧迫感・緊張感を伴う頭痛が両側性に起こる.日常の労作では頭痛の増悪はないが,羞明,音声恐怖,嘔気・嘔吐を伴うことがまれにある.こめかみ部や項部に筋硬直(しこり)と圧痛を認める.

治療法は,種々の鎮痛薬,中枢性筋弛緩薬,抗うつ薬などの薬物療法と鍼灸などを含めた理学療法も行なう.圧痛点への局麻薬注入(トリガーポイント注射)は鎮痛とともに筋弛緩が得られ.有効性が高い.また,骨格筋の持続的収縮には交感神経の興奮による筋緊張の亢進も関与するので,交感神経遮断の目的で星状神経節ブロックが適応となる.その他,二次性のものには硬膜外ブロックや椎間関節ブロックなども考慮する.

b.神経ブロック治療指針

①トリガーポイント注射:2~3回/週の頻度で行ない,症状によって増減する.

②星状神経節ブロック:2~3回/週の頻度で行ない,症状によって増減する.

③後頭神経ブロック:2~3回/週の頻度で行ない,症状によって増滅する.

④頸部・上胸部硬膜外ブロック:1~2回/月の頻度で行ない,症状によって増減する.

⑤頸椎椎間関節ブロック*:1~2回/月の頻度で行ない,症状によって増減する.(*厳密には関節内注射である)

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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋