特発性後頭神経痛
a.病態と神経ブロックの適応
特発性後頭神経痛は,片側の大・小後頭神経支配領域(後頭部から耳介後部)に限局する発作性電撃様の疼痛で,毛髪に触る行為などで誘発される.症候性後頭神経痛(腫瘍や炎症性疾患など)は,疼痛が持続性で,支配領域の感覚異常を伴うなどの特徴があるので,画像診断などと併せて除外診断を行なう.
カルバマゼピンと非ステロイド性抗炎症薬を投与する.無疹性帯状疱疹の場合もあり,ウイルスの血清補体結合価を測定して有意な上昇を認める時は,帯状疱疹に準じた治療を行なう必要がある.神経ブロックは速効的な効果がある.
b.神経ブロック治療指針
①後頭神経ブロック:急性期(1~2ヵ月間)は3~4回/週の頻度で行ない,その後は1~2回/週程度とする.
②第2頸神経脊髄神経節ブロック:疼痛が強く,後頭神経ブロックの効果の持続が短い場合には1~2回考慮する.
③星状神経節ブロック:1~2回/週の頻度で,後頭神経ブロックに併用して行なう.
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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋