a.病態と神経ブロックの適応
直腸がんの局所再発など器質的原因が明らかな会陰部痛は尾骨神経ブロックやサドルフェノールブロックで除痛が得られるが,原因不明の場合は難治性で,慢性化することが多い.この部位の神経支配は複雑であり,神経ブロックの効果は不定である.抗うつ薬や抗不安薬などを用い,精神・心理療法を併用する.
b.神経ブロック治療指針
①仙骨硬膜外ブロック:急性期(1~2ヵ月間)は3~4回/週の頻度で行ない,その後は1~2回/週とする.疼痛が強い場合は入院が望ましく,持続注入法を1~2ヵ月間の目安で行なう.
②サドルブロック:仙骨硬膜外ブロックで不十分な場合,1回/1~14日の頻度で1~2ヵ月間行なう.
③その他:下腸間膜動脈神経叢ブロック,上下腹神経叢ブロック,不対神経節ブロックなどの神経破壊薬を用いた方法を考慮する.
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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋