下痢

下痢はトイレに行かなくてはいけないので,日常生活がうまくできなくなります.

水分を取ってもすぐ出てしまうので,脱水になり,死に至ることもあります.栄養がなくなるため,どんどん痩せてしまいます.

急性の下痢と慢性の下痢で対処の仕方が違ってきます.

どんな症状?

便が柔らかくなる,お腹の中が空っぽになる,腹痛や発熱など耐えがたい症状が出てきます.

●放っておくと?

急性:体の中の水分がなくなり死に至ることもあります.

慢性:痩せ細っていきます.痩せなくても「いつまたトイレに行かなきゃいけないのだろう」と心配で気が滅入ってしまい,日常生活がままならなくなります.

どんな検査?

急性:主に感染症や食あたり,食べ過ぎから起こります.胃腸の検査を行うこと,またお腹かぜや食中毒など周りの流行を知ることが重要です.

慢性:同じく胃腸の検査を行い,それに加え他の自律神経や内臓などのその他のバランスを見ていくことが重要です.

●血液や尿や便の検査

急性:白血球,CRP,便の細菌検査

慢性:アレルギー・膠原病など慢性炎症起こす病気の検査,ホルモンバランスの検査

貧血・肝・腎機能などの一般的なチェック

●画像検査

院内画像検査

レントゲン・エコー検査

院外画像検査

CT,MRI

●他の検査

内視鏡検査(胃カメラ・大腸ファイバー・小腸カプセル)

●他の病気と副作用をチェック

検査は安心して診療できるようにするためのおまもりです.他の悪い病気がないか,副作用が出ていないかをチェックするのが第一の目的です.

どんな治療?

●一般的な生活改善

急性:絶食・安静が大切です.

慢性:生活のパターンを急には変えず,バランスを取っていきましょう.

運動中心の生活リズムと食事などのバランス.

●お薬

乳酸菌の整腸薬,神経薬,制吐薬

感染がひどい時は緩下薬をごく短期間服用します.

感染が明らかな時は細菌にあった抗生薬を服用します.

●注射

水分・ミネラル・糖など栄養の点滴

神経薬,制吐薬

●他の治療

慢性の下痢は,その原因によってさまざまな治療があります.

診療のながれ

●しらべる

急性:連日絶食・安静,お薬・お注射,検査を並行して行います.

落ち着いたら:スポーツドリンク・カロリーメイト・おかゆ・常食の順に取りましょう.

慢性:週1,2回の検査,お薬調整をしていきます.

●ととのえる

急性:1~数週間で治ります.

慢性・急性がこじれたら:

2~4週ごと:血液や尿の検査などから,

1~2週ごと:症状や生活の様子から,生活改善の仕方やお薬を調整します.

●おちついたら

2~4週ごと:生活改善の確認とお薬.

2~4か月ごと:血液や尿の検査.

半年~毎年:院内画像検査/1~2年ごと:院外画像検査

他には?

下痢は,下痢そのものでも体を傷つけます

長引けば心や生活を傷つけます.タイミングよくしっかり治し,バランスを取っていきましょう.

ほどほど,コツコツでだいじょうぶ

日々の生活をととのえ,コツコツと診療を続けていけばだいじょうぶです.