狭心症

心臓自身の血の巡りが悪くなる虚血性心疾患のうち,発作が残ってもまた元に戻るものを狭心症と呼びます.

どんな症状?

胸が苦しく,痛くなります.これが1~3分続き,自然に戻ります.

その発作の時,脈が乱れて気持ちが悪く,時に吐くこともあります.

階段を上る,緊張するなど胸がドキドキするのと共に発作が起こるものと,のんびりしてても苦しくなるものがあります.

無症状が一番怖い

メタボを放っておくと,動脈硬化を含めた血管不全が進み,心臓を養う冠動脈の働きが悪くなります.冠動脈が縮まり,発作が起こる時には冠動脈の働きはかなり悪くなっています.

●何で気がつくの?

胸が痛く苦しくなる狭心発作で受診し,心電図検査で見つかることが多いです.狭心発作が終わった後の外来受診で,心電図は正常なもののホルター心電図で診断がつくこともあります.

メタボを治療中に,または健康診断などで偶然見つかることもあります.

●放っておくと?

冠動脈硬化症が進むにつれ,発作の回数が増え時間も長くなります.発作が起こるのではないかと不安で消極的になり,生活が味気なくなります.時にうつ病となり,普通の生活ができなくなります.

もっと冠動脈硬化症が進むと,悪い不整脈や急性心筋梗塞となり亡くなることもあります.

どんな検査?

発作時の心電図検査が決め手です.

●血液や尿の検査

心臓の筋肉から漏れ出る酵素(GOTLDHCKなど)

メタボの検査

貧血・肝・腎機能などの一般的なチェック

●画像検査

院内画像検査

レントゲン,エコー検査

院外画像検査

CT,MRI

●他の検査

外来で発作を見つけられない時,不可心電図,ホルター心電図(24時間の心電図)

●他の病気と副作用をチェック

検査は安心して診療できるようにするためのおまもりです.他の悪い病気がないか,副作用が出ていないかをチェックするのが第一の目的です.

どんな治療?

●一般的な生活改善

メタボ対策が基本です.

運動中心の生活リズムと食事などのバランス.

●お薬

抗血栓薬(アスピリン:予防薬)

血管拡張薬(ニトロ:治療薬)

ニトロのスプレーや錠剤(発作時治療薬)

貼り薬(予防的な治療薬)

●注射

発作時ニトロなど(主に急性心筋梗塞の時に至る重症の時)

●他の治療

重症な場合はカテーテル検査

診療のながれ

●しらべる

発作時はまず安静にし,必要に応じて酸素を投与します.心電図を取り,ニトロで症状がなくなり心電図が正常化するかを見ます.

非発作時も心電図を取り,異常があれば診断がつきます.異常がない時は病歴に加え負荷心電図やホルター心電図を使います.MRIやCTによる冠動脈造影も併用します.

●ととのえる

発作がある時は連日の受診,または一時入院して治療します.

時々発作が起こるくらいになったら

2~4週ごと:血液や尿の検査,心電図検査などから,

1~2週ごと:症状や生活の様子から,生活改善の仕方やお薬を調整します.

●おちついたら

2~4週ごと:生活改善の確認とお薬.

2~4か月ごと:血液や尿の検査.

半年~毎年:院内画像検査・心電図検査/1~2年ごと:院外画像検査

他には?

メタボ⇒血管不全⇒虚血性心疾患(狭心症⇒心筋梗塞)を治療するにはメタボを叩くのが一番です.

ほどほど,コツコツでだいじょうぶ

日々の生活をととのえ,コツコツと診療を続けていけばだいじょうぶです.