甲状腺腫

甲状腺腫は甲状腺が腫れた状態です.甲状腺の機能が乱れる橋本病やバゼドウ病,炎症を伴う急性甲状腺炎,甲状腺の癌などがあげられます.

女性の5分の1がかかり,20人に1人が治療が必要となる甲状腺腫について見てみましょう.

どんな症状?

無症状が一番怖い

見かけ上は腫れていなくても,甲状腺腫があることがあります.

●何で気がつくの?

喉に触れたとき,鏡で見たとき,首が腫れていることに気づき,見つかります.

健康診断や風邪などで病院に行った際,偶然見つかることもあります.

●放っておくと?

気になって触れると,大きくなることがあります.機能の異常で体調不良になったり,癌が大きくなったりします.

見た目に甲状腺が腫れていれば,甲状腺腫です.

どんな検査?

●血液や尿の検査

甲状腺機能検査(TSH・FT4)

甲状腺障害検査(サイログロブリン)

貧血・肝・腎機能などの一般的なチェック

●画像検査

院内画像検査

頸部超音波検査

院外画像検査

MRI

●他の病気と副作用をチェック

検査は安心して診療できるようにするためのおまもりです.他の悪い病気がないか,副作用が出ていないかをチェックするのが第一の目的です.

どんな治療?

●一般的な生活改善

運動中心の生活リズムと食事などのバランス.

●お薬

機能の異常がなければ,特にありません.

異常がある場合は,橋本病・バゼドウ病のお薬を参照して下さい.

●他の治療

大きすぎる場合は手術になります.

診療のながれ

●しらべる

尿や血液の検査,画像検査で甲状腺腫を診断します.

経過観察をします.

●ととのえる

2~4週ごと:血液や尿の検査などから,

1~2週ごと:症状や生活の様子から,生活改善の仕方やお薬を調整します.

●おちついたら

2~4週ごと:生活改善の確認とお薬.

2~4か月ごと:血液や尿の検査.

半年~毎年:院内画像検査/1~2年ごと:院外画像検査など.

他には?

痛みでお越しの女性10人に1人は甲状腺の異常があります.一般の20人に1人より多いのは,ストレスが甲状腺に影響していると考えられます.仕事とお休みのバランスが重要です.

ほどほど,コツコツでだいじょうぶ

日々の生活をととのえ,コツコツと診療を続けていけばだいじょうぶです.