バセドウ
自分の免疫が間違って自分を攻撃する膠原病のうち,甲状腺が的になってしまうものを自己免疫性甲状腺腫といいます.そのうち,甲状腺機能が上がっているものがバセドウ病です.
どんな症状?
甲状腺がはれるとともに,甲状腺ホルモンが異常に多くなってその症状が出ます.甲状腺ホルモンは体の代謝をよくする作用があり,それが多くなると代謝が異常に高くなります.体温の上昇,心臓がドキドキ,息がハーハーする,体のエネルギーが燃えるため体重が痩せてくる,目がはれてくるなどの症状が出ます.
無症状が一番怖い
初めのうちは代謝がよくなるので疲れ知らずでたくさん働け,むしろ健康のように感じます.
でもあるとき突然体が動かないくらい調子が悪くなります.その頃にはかなり甲状腺が壊れていることがあります.
●何で気がつくの?
甲状腺がはれて,受診し気がつくことが多いです.
●放っておくと?
体が常に燃え続けているようなものなので,内臓がだめになり,不整脈や心筋梗塞,脳卒中で亡くなることもあります.そこまでいかなくても,目が出てくると治療してもなかなか元に戻りません.
どんな検査?
甲状腺が腫れて,脈が速いことでおおよそ診断がつきます.
●血液や尿の検査
TSH,FT4(甲状腺機能を評価する)
サイドグロブリン(甲状腺破壊の度合いをみる)
抗甲状腺抗体(TPOAb,TgAb,TSAb)
貧血・肝・腎機能などの一般的なチェック
●画像検査
院内画像検査
エコー検査,レントゲン
院外画像検査
CT・MRI
●他の検査
生検
●他の病気と副作用をチェック
検査は安心して診療できるようにするためのおまもりです.他の悪い病気がないか,副作用が出ていないかをチェックするのが第一の目的です.
どんな治療?
●一般的な生活改善
運動中心の生活リズムと食事などのバランス.
●お薬
抗甲状腺薬(メルカゾール)
●他の治療
ひどい時は手術
診療のながれ
●しらべる
血液や尿の検査でバセドウ病を確定します.
●ととのえる
初めのうちは:1,2週間は血液や尿の検査,抗甲状腺薬の調整をします.
2~4週ごと:血液や尿の検査などから,
1~2週ごと:症状や生活の様子から,生活改善の仕方やお薬を調整します.
●おちついたら
2~4週ごと:生活改善の確認とお薬.
2~4か月ごと:血液や尿の検査.
半年~毎年:院内画像検査/1~2年ごと:院外画像検査
他には?
海藻などのヨード分は過不足なくとりましょう.
ほどほど,コツコツでだいじょうぶ
日々の生活をととのえ,コツコツと診療を続けていけばだいじょうぶです.