膠原病

自分の免疫が間違って自分を攻撃する疾患,自己免疫疾患は,外からの誘因があるものの代表である花粉症やアトピー性皮膚炎と,誘因がないものの代表である膠原病に別れます.誘因や思い当たる節がなくいきなり発病する膠原病は,その免疫がどこを攻撃するかに分けられます.例えば,関節にいくものを関節リウマチ,筋肉・皮膚にいくものを皮膚筋炎,甲状腺にいくものを自己免疫甲状腺腫(橋本病・バゼドウ病)といいます.

どんな症状?

免疫が攻撃する場所の炎症(痛み,発赤,腫脹,発熱,機能不全)がおこります.症状は膠原病の種類でさまざまです.

無症状が一番怖い

自己免疫はもともとの体質にストレスが加わりできてきます.一つの症状がでると,一気にいろいろなところに及びます.

●何で気がつくの?

症状がないうちは,他の病気で受診した時に偶然見つかることがあります.振り返ると,すでに小さな症状が出ていることも多いです.

関節や肌,口の中や目などの症状が出てきて分かることが多いです.

●放っておくと?

炎症がその場所(関節・肌・粘膜など)でひどくなり,生活が難しくなります.炎症が全身に年単位で広がり,命を落とすことがあります.中には急激に悪くなるものもあるので,症状が落ち着いていても診療が必要です.

どんな検査?

●血液や尿の検査

・おおまかな検査

アレルギーの度合いをリスト(非特異的IgE)と好酸球数でみます.白血球とCRPで急性炎症反応をみます.蛋白分画で亜急性から慢性の炎症反応を見ます.

診察で肌や粘膜の状態を確認し,外から見て分かるような炎症部位を特定します.

・こまかな検査

自己免疫があるかないかを抗核抗体でおおよそ見ます.陽性になれば,それぞれの病気の独特の抗体(疾患特異抗体)をゆっくり調べていきます.約半年ほどかけて調べていきます.

貧血・肝・腎機能などの一般的なチェック

●画像検査

院内画像検査

エコー検査・レントゲン

院外画像検査

CT・MRI

●他の検査

疑わしい場所の生検

●他の病気と副作用をチェック

検査は安心して診療できるようにするためのおまもりです.他の悪い病気がないか,副作用が出ていないかをチェックするのが第一の目的です.

どんな治療?

●一般的な生活改善

膠原病の種類によって,特別な生活指導(日に当たらない,熱いものを食べないなど)

運動中心の生活リズムと食事などのバランス.

●お薬

免疫抑制剤

膠原病の種類ごとの治療

●注射

免疫抑制剤

膠原病の種類ごとの治療

生物学的製剤

●他の治療

炎症や炎症がひどいときは手術をします.

診療のながれ

●しらべる

血液や尿の検査で膠原病を確定します.

初診月:おおまかな検査

翌月から:こまかな検査

●ととのえる

症状が強い時:週に1回以上の受診

症状が弱くなってきたら:

2~4週ごと:血液や尿の検査などから,

1~2週ごと:症状や生活の様子から,生活改善の仕方やお薬を調整します.

●おちついたら

2~4週ごと:生活改善の確認とお薬.

2~4か月ごと:血液や尿の検査.

半年~毎年:院内画像検査/1~2年ごと:院外画像検査

他には?

膠原病は体質なので,それにあった療養(生活と治療)を続ければ健康に生活することができます.

ほどほど,コツコツでだいじょうぶ

日々の生活をととのえ,コツコツと診療を続けていけばだいじょうぶです.