徐福症候群
じょふくしょうこうぐん
徐福症候群
家族:ばあちゃんの症状がぜんぜん良くならない.なんでだ?ネットに同じような症状が書いてあるぞ.あの医者は「しょうがない」と言ってたが本当か?テレビに凄い名医が出てたって隣の奥さんが言ってたよ.ばあちゃんをそこに連れて行こう.
本人:今の医者様には内緒で名医とやらへ行ってみよう.
まぼろしの特効薬や名医を求めさまよう症候群の症状です.慢性病の4人に1人がかかるこの病気についてみてみましょう.
徐福伝説 ~人知の限界~
その昔,中国を統一したの始皇帝も老化には勝てませんでした.病床から彼は家臣の徐福にで不老不死の薬を探すよう命じたのです.しかし徐福を乗せた大船団が戻ることはありませんでした.
それから二千年以上たった現在でも人類はいのちの仕組みを解明するどころか,病気のごく一部しか理解していないのです.
知らずに不老不死を求めている?
病状がよくならないと本人や家族が「なんで治らないの?もっとよく検査してよ」と求めます.しかしその原因が老化や過労,難病等,根治が難しい場合「様子を見ましょう」と医者はかわします.それでも「病名は何?」と追求が続くと「当科的に正常」「わからない」「手に負えない」と徐々にさじを投げることになります.
勝手に病院を変るのはムダで危険
最初の医者があきらめると本人や家族はネットやテレビ等で最新の治療法や名医を探し始めます.その情報が手に入ると黙って病院を変えます.すると病歴は引き継がれず同じ検査が繰り返されます.ムダです.更にその名医にかかれる保障はなく,万一治療を受けられてもそれが有効かどうかはわかりません.やはり治らないとなれば病院遍歴を繰り返すこととなります.これが徐福症候群です.家庭にはりがみちあふれ最後は気力・体力・経済力すべてが燃え尽きてしまうのです.
生兵法はケガのもと.必ずかかりつけ医に専門医を紹介してもらいましょう.
どんなに良い治療も医者を通じて受けるもの.通院するには家族の理解が必要です.身近な人とのきずなを大切にしなければより健康にはなれません.生きてゆくうえでの仲間として身近なかかりつけ医にご相談下さい.
ほどほど,コツコツでだいじょうぶ
日々の生活をととのえ,コツコツと診療を続けていけばだいじょうぶです.