06.後頭神経痛

痛い部位:後頭部,うなじ,時に顎,耳
特異症状:頭痛や腕のしびれ痛みを合併することあり
後頭神経は,髪の毛の生え際から後頭部にかけて走る神経です.さすような,しめつけられるような痛みがあります.ほとんどは疲れで肩こりやうなじのこりがもとで発痛します.時に高血圧の副症状や,脳腫瘍,癌等の悪い病気が原因のこともあります.
原因が両性であれば神経ブロックがよく効きます.悪性の場合も考慮して,多角的診療で対処します.

後頭下神経痛

痛い部位:後頭部,うなじ
特異症状:こりと鈍痛
第一頚神経は,特に後頭下神経とよばれ,皮膚知覚はなく,後頭の筋肉の運動と深部知覚をつかさどります.しつこいうなじや後頭部の鈍痛があればこれを考えます.単純な疲れによるものから,癌,脳腫瘍等が原因のこともあります.
多角的診療で治します.
後頭下神経痛 subocccipital neuralgia 第一頚神経痛 first cervical neuralgia 

大後頭神経痛

痛い部位:うなじ,後頭部の真ん中,頭頂部
髪の生え際,正中から1インチ≒2.5cm両側にバレー圧痛点があります.
大後頭神経は,第二頚神経の後枝からなります.
tertiary occipital neruralgia 大後頭神経痛 major occipital neruralgia 第三後頭神経痛 

小後頭神経痛

痛い部位:耳の後ろ,後頭部の両側
後頭神経痛の一種.
髪の生え際,正中から2インチ≒5cm菱和にバレー圧痛点があります.
小後頭神経は,第二頚神経の前枝からなります.
minor occipital neruralgia 小後頭神経痛 

特発性後頭神経痛:ペインクリニック治療指針

a.病態と神経ブロックの適応
特発性後頭神経痛は,片側の大・小後頭神経支配領域(後頭部から耳介後部)に限局する発作性電撃様の疼痛で,毛髪に触る行為などで誘発される.症候性後頭神経痛(腫瘍や炎症性疾患など)は,疼痛が持続性で,支配領域の感覚異常を伴うなどの特徴があるので,画像診断などと併せて除外診断を行なう.
カルバマゼピンと非ステロイド性抗炎症薬を投与する.無疹性帯状疱疹の場合もあり,ウイルスの血清補体結合価を測定して有意な上昇を認める時は,帯状疱疹に準じた治療を行なう必要がある.神経ブロックは速効的な効果がある.
b.神経ブロック治療指針
①後頭神経ブロック:急性期(1~2ヵ月間)は3~4回/週の頻度で行ない,その後は1~2回/週程度とする.
②第2頸神経脊髄神経節ブロック:疼痛が強く,後頭神経ブロックの効果の持続が短い場合には1~2回考慮する.
③星状神経節ブロック:1~2回/週の頻度で,後頭神経ブロックに併用して行なう.
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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋
特発性後頭神経痛 idiopathic occipital neuralgia 

症候性後頭神経痛

後頭神経痛で,癌,炎症,脊椎疾患等,他の考慮すべき原因があるものいいます.
慎重に多角的診療を進める必要があります.
症候性後頭神経痛 symptomatic occipital neuralgia 

大後頭神経三叉神経症候群(Great Occipital Trigeminal Syndrome : GOTS):ペインクリニック治療指針

a.病態と神経ブロックの適応
第2,3頸神経と三叉神経の一次求心性ニューロンは三叉神経脊髄路核に収束する.後頭神経領域の病変や椎間板ヘルニア,環軸関節障害などで上位頸神経が刺激されると,目の疲れやまぶしさなどの眼症状と眼窩周囲部痛が生じることがある.薬物療法はカルバマゼピンと非ステロイド性抗炎症薬の内服を行なう.効果が不十分な場合は,神経ブロックを行なう.
b.神経ブロック治療指針
①後頭神経ブロック:急性期(1~2ヵ月間)は3~4回/週の頻度で行ない,その後は1~2回/週程度とする.
②眼窩上神経ブロック:眼窩上部痛が強いときは後頭神経ブロックと併用する.
③星状神経節ブロック:交感神経緊張状態がみられる場合は,1~2回/週の頻度で,後頭神経ブロックと併用する.
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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋

後頭神経ブロック:ペインクリニック治療指針

①局麻薬のみ使用の場合
1~2%リドカイン2~5ml.
②神経破壊の場合
2%リドカイン0.5ml以内の量で十分な効果が得られ,合併症がないことを確認後,同量の5~7%フェノール水を注入する.あるいは高周波熱凝固法(50~90℃,90秒間)で行う.
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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋

occipital nerve block 後頭神経ブロック