栃木で●心筋梗塞●を着実に

心臓自身の血の巡りが悪くなる虚血性心疾患のうち,ひとたび発作が起こると心臓の筋肉が死んでしまい,元に戻らないものを心筋梗塞といいます.心筋梗塞になる前の冠動脈硬化症,発作間もなくの急性心筋梗塞と,回復した後の陳旧性心筋梗塞があります.

どんな症状?

冠動脈硬化症

日頃は無症状で,階段の上り下りや緊張など胸がドキドキすると同時に,胸が苦しい,痛いなどの狭心発作を繰り返します.だんだん発作の間隔が短くなり,些細なきっかけまたは全く安静にしていても発作が起こるようになり,ついには急性心筋梗塞に至ります.

急性心筋梗塞

胸が苦しく,痛くなります.この発作が5分以上続きます.自然に治ることはまれで,救急車で運ばれ,そのまま亡くなることもあります.
痛くなる場所は胸だけでなく,背中や肩,あご,左手の小指など様々です.
黒いベールが降りてくるような貧血感,「あ.もうだめかも」という恐怖感を伴うことが多く,初めての発作でも本人にははっきり分かることが多いです.
その発作の時,脈が乱れて気持ちが悪く,時に吐き,そのまま意識がなくなり,助けを呼ぶ間もないことあります.

陳旧性心筋梗塞

急性心筋梗塞が治った後は心臓の働きが弱くなり,少し動いただけでも苦しくなります.徐々にそれも回復し,普通に動けるようになっても軽い狭心発作を繰り返します.徐々にまた心臓の機能が悪くなり,放っておくと心不全になります.

無症状が一番怖い

メタボを放っておくと,冠動脈の壁が動脈硬化で分厚くなります.血液の通る内径が狭くなると,細々と血液が流れている状態になります.この冠動脈硬化症の段階では,軽い狭心発作を繰り返すか,無症状です.大きな症状がないまま病状が進み,ひとたび急性心筋梗塞が起こると,大変なことになります.

●何で気がつくの?

冠動脈硬化症は狭心発作で受診した時,または健康診断で偶然見つかります.
急性心筋梗塞は激しい症状が続きます.
陳旧性心筋梗塞は上記2つの後,継続して診療します.

●放っておくと?

冠動脈硬化症は急性心筋梗塞になり,放っておけば亡くなります.
急性心筋梗塞が治った後,陳旧性心筋梗塞になり生活のバランスを取らなければ心不全で亡くなります.
その間,狭心症や心不全の症状で体が動かなくなり,気持ちが滅入り,生活できなくなります.

どんな検査?

発作が起こる前の心電図検査やMRI・CTなどの画像検査が決め手です.
急性心筋梗塞では検査と同時に治療が行われます.

●血液や尿の検査

心臓の筋肉から漏れ出る酵素(GOTLDHCKなど)
メタボの検査
貧血・肝・腎機能などの一般的なチェック

●画像検査

院内画像検査
エコー検査,レントゲン
院外画像検査
CT,MRI

●他の検査

急性心筋梗塞時のカテーテル検査

●他の病気と副作用をチェック

検査は安心して診療できるようにするためのおまもりです.他の悪い病気がないか,副作用が出ていないかをチェックするのが第一の目的です.

どんな治療?

急性心筋梗塞は緊急入院と迅速な加療が必要です.
以下は冠動脈硬化症と陳旧性心筋梗塞について書きます.

●一般的な生活改善

メタボ対策が基本です.特に減量は急性心筋梗塞発生前後を問わず重要です.
運動中心の生活リズムと食事などのバランス.

●お薬

抗血栓薬(アスピリン:予防薬)
血管拡張薬(ニトロ:治療薬)
ニトロのスプレーや錠剤(発作時治療薬)
貼り薬(予防的な治療薬)
メタボのお薬

●注射

発作時ニトロなど(主に急性心筋梗塞の時に使います)

●他の治療

カテーテル検査と治療(急性心筋梗塞と冠動脈硬化症)

診療のながれ

●しらべる

急性心筋梗塞は速やかに入院します.
冠動脈硬化症は心電図,MRI,エコー検査で診断します.
陳旧性心筋梗塞はそれまでの病歴で分かります.

●ととのえる

冠動脈硬化症と陳旧性心筋梗塞で狭心発作を繰り返すときは,専門病院を紹介します.
時々発作が起こるくらいになったら
2~4週ごと:血液や尿の検査,心電図検査などから,
1~2週ごと:症状や生活の様子から,生活改善の仕方やお薬を調整します.

●おちついたら

2~4週ごと:生活改善の確認とお薬.
2~4か月ごと:血液や尿の検査.
半年~毎年:院内画像検査・心電図検査/1~2年ごと:院外画像検査

他には?

メタボ⇒血管不全⇒虚血性心疾患(狭心症⇒心筋梗塞)を治療するにはメタボを叩くのが一番です.

ほどほど,コツコツでだいじょうぶ

日々の生活をととのえ,コツコツと診療を続けていけばだいじょうぶです.